Light Novel Perfect Book
――創刊当時の思い出の作品や著者は？
シリーズを確立するために、基本的に旧作のリメイクと新作を同時にやるつもりでした。まず田中芳樹さんの『銀河英雄伝説』があり、夢枕獏さんの『闇狩り師』、新井素子さんの『ラビリンス』。
創刊は1976年。初期は富島健夫や佐伯千秋といった既存作家の作品がレーベルの主力だったが、78年の氷室冴子、79年の正本ノン、80年の新井素子、久美沙織、田中雅美といった、読者と限りなく同世代に近い（何人かはデビュー当時高校生や大学生）新人作家の登場により、80年代前半には現在のライトノベルの原型となるレーベルカラーを確立する。
年表の中段、時代背景の項に新井素子さんの名前が登場。
◆出版
［ベストセラー］『ルーツ』A・ヘイリー▼『エーゲ海に捧ぐ』池田満寿夫（芥川賞）▼『戒厳令の夜』五木寛之［トピックス］新井素子が「あたしの中の…」で奇想天外新人賞受賞▼「読んでから見るか、見てから読むか」（森村誠一フェアのコピー／角川文庫）
年表の下段、コラム中に新井素子さんの名前が登場（P.69）。
しかしこれらの文庫出版が、先に挙げた要件を満たすのは新人作家の書き下ろし、高千穂遙、新井素子、氷室冴子らの登場を待たねばならない。
年表の上段、作品名の項に新井素子さんの名前が登場。
いつか猫になる日まで 新井素子／長尾治 コバルト
年表の上段、作品名の項に新井素子さんの名前が登場。
《星へ行く船》 新井素子／竹宮恵子 コバルト
コラムで新井素子さんの話題に1章が割かれている。内容は、エポックとしての新井素子の登場と、コバルトへの進出、その影響について。
年表の上段、作品名の項に新井素子さんの名前が登場。
ひとめあなたに… 新井素子／さべあのま 角川文庫
【註】初版の表紙イラストは吉間ゆかりで、ライトノベル風ではない。途中からさべあのまに変わった。このことには触れられていない。
年表の下段、コラム中に新井素子さんの名前が登場（P.76）。
笹本祐一は大学在学中に出版社へ自作を持ち込み、その作品でデビューした。持ち込まれた小説は、全編がくだけた会話文体だったのを、編集部の要請で地の文だけ直したという。ギャグの緩急など、文月今日子の漫画を再現しようとしたというが、これは新井素子がデビューに際してのインタビューで『ルパン三世』のような小説を書きたかったと答えたこととも呼応する。夢枕獏が小説ならではの面白さを模索したことと対照的だ。
「ジャンル：名作」の中で「ライトノベルの認知度を高めた大作・秀作」として、P.117に『グリーン・レクイエム』が登場。
緑色の髪を持った少女、明日香。彼女が嶋村信彦と出会ったとき、二人の悲しい物語が始まった。コミックはもちろん、映画化もされた新井素子の代表作。異界のモノを愛してしまった者の悲しみという古くからのテーマを蘇らせ、後続作品に大きな影響を与えた。続編『II』も刊行されている。
「名作」の項には他に下記の作品が挙がっている。（作品名は原文通り）
上記の作品は全て「ライトノベル30年史」に名前が登場するが、「グリーン・レクイエム」のみ出てこない。
大森望によるコラム。P.135に新井素子さんの名前が登場している。
そもそもライトノベルのパイオニアは平井和正『超革命的中学生集団』じゃないかという説を最近唱えているのだが、ジュブナイルSF群を別にしても、夢枕獏、新井素子、火浦功など、第三世代のSF作家たちはカタカナ文庫の世界で活躍してきた。
ライトノベル新人賞の募集要項。「第4回スーパーダッシュ小説新人賞」（P.204）の審査員として新井素子さんの名前がある。
えっと、あとがきです。後書きについてです。
P.206〜209。文中では新井素子さんの名前は出ていないが、「えっと、あとがきです」は新井素子さんのあとがきの有名な書き出しである。