”21世紀日本SFのわかりやすい地図を描け”という命題の下、現役のSF作家たちの住処を架空の市街に配置したマップ。市街は下記のように区分される。
更に「科学性−幻想性」を縦軸（北−南）、「物語性−作家性」を横軸（西−東）とした座標軸に当てはめてこの街の中に各SF作家を配置している。
小松左京が最初に万能ブルドーザーで整地し、山田正紀が発展させたこの地は、エスエフ大陸中心部に位置する古都。文系本格SFの伝統を今に伝える落ち着いた佇まいを見せる。
（中略）
不況でこの街から住人が大量流出した時代に、町はずれの洋館を買いとり、毎月のように華やかな夜宴を催したのが暗黒大陸出身の井上雅彦。当時そこに集っていた人々が、今はエスエフ大陸各地で活躍している。一方、その時代もこの街を離れず、街の中心でずっと暮らしているのが草上仁。さらに歴史の古い新井素子邸は、今や旧家の風格だ。
新井素子さんは縦軸と横軸の交点に近い「旧市街」区分（P.38）にいる。
この配置はちょっと違うんじゃない？ と思うも、P.45のマップ配置の目安となる作品に『チグリスとユーフラテス』が挙げられていたので、それならまあそうでしょうと一応納得。軸に採用した概念もそれぞれ対立するものとは思わないが、その怪しさについては本文中で触れられているので流す。
基本的に、マップ配置の目安となる入手可能な作品とのこと
新井素子さんについては『チグリスとユーフラテス』（集英社文庫）が挙がっている。