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業界の濃い人

書誌情報

【文庫】

• ［著者］いしかわじゅん
• ［出版社］角川書店（角川文庫）
• ［発行日］2005/05/25
• ［発売日］2005/05/25
• ［ISBN］4-04-179505-2
• ［PAGE］302
• ［価格］552円+税
• ［装画］井筒啓之

2005年5月に刊行された『秘密の手帖』を改題し、新たにエッセイ二編を追加するなど内容を改訂した文庫版。

収録エッセイ

1　問題の人

1. 「彼女の借りについて――山田詠美」
2. 「氷雨に関する悩み――内田春菊」
3. 「風呂敷を着る作家――新井素子」
4. 「キャバクラでゴキゲン――夢枕獏」
5. 「ある悲劇の物語――高千穂遙」
6. 「彼女のちょっとした問題――久美沙織」
7. 「恐るべし、お喋り番長――竹熊健太郎」
8. 「オタキング登場――岡田斗司夫」
9. 「体育会系固太りデブ――大月隆寛」
10. 「不機嫌な彼について――関川夏央」
11. 「あの日の超能力――景山民夫」
12. 「僕と彼女の関係――ひかわ玲子」
13. 「ハゲ頭の花嫁――柴田理恵」

2　反則の人

1. 「また彼女の借りについて――山田詠美」
2. 「砂のように聞く女――杉浦日向子」
3. 「彼の迸る情熱――夢枕獏」
4. 「入超の夜――大沢在昌」
5. 「彼との接近との遭遇――北方謙三」
6. 「声高の弊害について――呉智英」
7. 「驚くべき才能のなさ――杉作Ｊ太郎」
8. 「暗黒面を見たか――唐沢俊一」
9. 「オニギリ頭の謎――南伸坊」
10. 「気弱な青年の主張――大槻ケンヂ」
11. 「気にしいやなあ――我孫子武丸」
12. 「また不機嫌な彼について――関川夏央」

3　特別な人

1. 「さらに彼女の借りについて――山田詠美」
2. 「また声高の弊害について――呉智英」
3. 「連帯の挨拶――高田文夫」
4. 「大人の生活――安西水丸」
5. 「もらえなかった返事――長井勝一」
6. 「ちょっと地味な彼女――斎藤綾子」
7. 「SWSの謎――猪瀬直樹」
8. 「フランス人に告ぐ――中野貴雄」
9. 「会員への道――高千穂遙」
10. 「さらなる会員への道――北方謙三・大沢在昌」

4　特殊な人

1. 「死霊の家――岡田斗司夫」
2. 「彼女に関する二、三のエピソード――水島裕子」
3. 「意図せぬ遭遇――藤野千夜」
4. 「芸風を知る――山下洋輔」
5. 「メジャーへの道――前川麻子」
6. 「お前を許さない――小峯隆生」
7. 「妻を働かせる男――火浦功」
8. 「ゴッホが怒る――青木雄二」
9. 「打ち上げ花火の謎――杉作Ｊ太郎」
10. 「巨顔の伝説を持つ男――高取英」
11. 「まだ見ぬ人――胡桃沢耕史」
12. 「裸族の人――杉作Ｊ太郎」
13. 「かの文豪に関するトラブル――石川淳」

あとがき

1. あとがきにかえて
2. 「あの人に関する心配――北方謙三」
3. 解説――北方謙三
4. 文庫版オマケ1「校歌でゆんゆん宗左近」
5. 文庫版オマケ2「人面魚が六本木にいる――堀江貴文」
6. 文庫版解説――奢って　大沢在昌

新井素子関係の内容

「風呂敷を着る作家」(P.21-26)

新井素子さんの服装に関するエッセイです。「風呂敷」とは新井素子さんがパーティで着ていたドレスを形容した言葉です。（いしかわじゅんは吾妻ひでおのピンチヒッターとして登場した「ひでおと素子の愛の交換日記」の「吾妻ひでお伝」でも同じネタを描いている。『新　ひでおと素子の愛の交換日記』と『ひでおと素子の愛の交換日記3』に所収）

ラジオドラマ「ザ・素ちゃんズ・ワールド」の第4回では、新井素子さん自身の口からこのエピソードが語られています。

「彼女のちょっとした問題」

久美沙織に関するエッセイですが、上記「風呂敷を着る作家」に関連する記述があり、新井素子さんが登場しています。久美沙織が主催したパーティでのこと。P.46より。

大混雑の会場入り口で、ぼくは新井素子とばったり会った。

しまった、こんなところで出会うとは。まだ心の準備ができていなかった。

「ええと、新井さん、怒ってる？」

ぼくは、恐る恐る聞いてみた。

「一発ぶっとばしてもいいと思ってる」

彼女は、額に青筋を立てていた。

まずいのである。

何話か前の、新井素子編を開いていただきたい。あの回で、ぼくが新井素子の洋服の趣味について書いたことを、彼女は本気で怒っているようであった。あの時書いた〈知人のパーティ〉というのは、実はこの時のこのパーティのことだったのだ。

また世間を狭くしてしまったのである。申し訳ない。

『秘密の手帖』との変更点

『秘密の手帖』と『業界の濃い人』の内容を比較し、収録順や変更されたタイトルをリストにしてみました。番号は上記のリストを参照して下さい。