さて。”星へ行く船”は、十九の冬に書いたもので、五作目にあたります。えーと、これは、何ていうのか実に安易なきっかけで書きだしたもので……。友達と、銀河鉄道999の映画、観に行ったんですよね。ぼけっと画面見て。スリーナインが地面の上走るでしょう。それから段々宙にうき、星の中をつっ切ってゆく。きれいだったんですよね、そのシーンが、凄く。バックが濃青、星の海。すべるように走ってゆく列車。観ながらむずむずしてきて。いいなあ、やっぱり星空つっ切ってゆくのはいい。うー、こーゆーの書きたいな。星の中つっ切ってゆく話。あ、そういえばあたし、まだ地球の外へ出てゆく話書いてないや。うん、決めた。次は星の海を渡る船の話にしよう。あ、タイトル、決まってしまった。星へ行く船。決定。
米沢 新井さんの方は、かなりアニメは見るんじゃないですか？
新井 いえ、私テレビ全然見ませんから、見てないです。
米沢 じゃ劇場用アニメは？
新井 いえ、ほとんど見ないです。
竹宮 冷たい！（笑）
新井 あのう…仕事じゃなくて、自分でお金払って見に行ったのは『ルパン三世』2本と『銀河鉄道999』だけです。あとは、仕事で『クラッシャージョウ』と『幻魔大戦』と『宇宙戦艦ヤマト』見なきゃいけなかったんですけれど。あとは試写会とかその程度で。
米沢 じゃあ、あんまりアニメが好きとかそういうわけでは？
新井 と言うか、『機動戦士ガンダム』とかあのへんのはテレビ見てないと、あんまり感情移入できませんでしょう。劇場作品だけポコっと見てもわかんないんですよね。『機動戦士ガンダム』はあんまりブームになったんで1回見に行ったんですよね。で、私は映画だけ見てよくわからないのに、まわりが勝手に盛り上がってるからね（笑）。
『クラッシャージョウ』と『幻魔大戦』と『宇宙戦艦ヤマト』を見なきゃいけなかったお仕事とは、『アニメージュ 1983年5月号』掲載の「兄悟と素子の採点ノート」のことです。
『クラッシャージョウ』では公開時に劇場で販売されたパンフレットに解説も書いています。（→『クラッシャージョウ』パンフレット）
電車の発車時にアニメ映画『銀河鉄道999』のテーマソングが流れる西武池袋線大泉学園駅と、漫画の結末について。