別冊SFイズム４
『惑星ソラリスはよかった』の項より。
ねえねえ、ひどいんだよ、小松さんがわたしと素子ちゃんに言ったんだけど、そんなに二人とも結婚したいんだったら二人で結婚しろって。したら素子ちゃんいやそうな顔してね（笑）、「だって大原さんて、お月給じゃないんでしょ、ボーナスないでしょう」とか言って。
新井素子さんも出演したNHKのラジオ番組「ラジオヤングマガジン」の公開録音の模様が書いてあります。ゲスト出演したSF作家の面々は――
だれがいるのかというと、新井素子、火浦功、岬兄悟、夢枕獏といった若手である。素子ちゃんは、自分のカバンに巻きついているダナ（顔はネコで胴体はヘビというぬいぐるみ）をかいぐりかいぐりしている。火浦さんはウォークマンをつけたまま、コーヒーをがぶ飲みして、ハードボイルドぶりっ子をしている。岬さんは明るいのか暗いのかよくわからない寝不足ギャグを連発している。好奇心おうせいな獏さんは、かったばかりの仏教辞典をかかえたまま、ときどき行方不明になっている……。
今年のバースデー・パーティは、例年になく華やかであった。ＳＦ世界の最年少女流作家、新井素子ちゃんの祝・ご卒業パーティと合同だったのだけれど、ＳＦ作家の豊田有恒さんのおうちに数十人が集まってくれて。
写真有り。新井素子さんは「BYE BYE JUPITER」とプリントされたトレーナーを着ています。映画「さよならジュピター」の宣伝のためなのか、それとも普段着なのかは不明です。
大学に入ってすぐ、わたしは初めて新人賞というのに応募しました――第一回奇想天外新人賞です。久しぶりのＳＦ賞だったので、応募総数なんと千二百余。ところが、第一次予選に通過したのです。今見ると、そのリストの中に現在ＳＦ界の新人作家といわれる人たちが、いるわいるわ。
結局、二次で落ち、その年デヴューしたのが十七歳の新井素子さん。
新井素子さんが登場した「別冊SFイズム」は下記の通り。