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新井素子（ＳＦ作家）がクラスメイトと平凡結婚
西武線？の電車車両の出入り口に立つ手嶋政明さんと新井素子さんのツーショット写真。おそろいのダッフルコートを着ています。まだ挙式前のお二人です。この年、3月24日に挙式だそうです。（そう言えば『結婚物語』の結婚式も3月24日でしたね）
このような小見出しが付いております。
「デートはいつも本屋さんなの」７年間の交際後広告代理店社員の彼と３月24日に
記事の本文は下記の通り。
全国の新井素子ファンの皆さん。正直に驚いてください。突然ですが、彼女、結婚しちゃうんです。写真左の広告代理店に勤務する手嶋政明さん（25）が、彼女の選んだ人。まずは二人のなれそめを、素子タッチで紹介すると。
「えっと。ことの起こりは、彼が大学の同級生だから、なのです。かくして、なんとなく気があって。で。なんとなく付き合ったわけ。でね。デートのパターンは喫茶店に行って、だまーって二人で別々の本を読んで、ほんじゃって別れる。一緒に映画見たことも、ドライブしたこともあまりないけど、なぜか、気持ちがいい人ではあるの。うん。この人とは、うまいチームが組めそうです」
つーわけで結婚することになったんだそう。わかる？ ん。わかんないか。それはともかく新井さん（24）は知る人ぞ知るたいへんな売れっ子ＳＦ作家である。24歳の若さながら、書き下ろしの小説だけでも13冊、そのいずれもが単行本なら15万部、文庫本なら30万部は間違いないという凄さ。話し言葉をそのまま活字にするというソフト感覚が中、高、大学生にメチャ受けで、毎月ダンボール箱１杯分のファンレターが届けられるほどのＳＦ界のナンバーワン・アイドル。
両親とも編集者で、小学校にはいる前から母親に自分の作った物語を口述筆記させ、16歳でデビュー作が星新一氏に激賞された。トントン拍子の天才少女は「いつもバッグの中に顔だけ出したぬいぐるみを入れてます」（担当編集者）と、まるで主人公そのままのようなメルヘン的性格。
いまどき、お揃いのダッフルコートを着たカップルも珍しいと思うのですが、これも彼女はまるでファッションに興味ないせいらしい。こんな点でもぴたりと息の合っている二人は、この24日に式を挙げますが、「生活の主導権はぼくが握る」と手嶋氏がいえば、素子さんの母君は「素子のほうがわがままばかり言いそうね」。そして星新一氏は「結婚後、作風がどうなるか気になっています」と反応はさまざま。彼女自身は「夜昼逆の生活パターンを新婚旅行中に切り換えなくちゃ」と張り切ってるそうです。
さて、事ここにいたっては熱狂的素子ファンの男子諸君にできることといったら、タイムマシンを使って時間を７年前に戻すくらいでしょうか。
「えっと。彼のプロポーズ、『二人で同じ風に吹かれてみたい』だったの。うわー、うわー、でまァ。５月から書き下ろしを始めるから期待してください。たぶん」
新井素子さんのご両親は当時講談社の社員でした。記事中の「素子さんの母君」談話は社内で取材したんでしょうか。
『フライデーSPECIAL'85』にもこの写真が再録されています。