静岡新聞は毎週日曜朝刊に読書面があります。その中に、各担当者がジャンル別に新作を紹介する「楽読楽書」というコーナーがありまして、「SF」を大森望（翻訳家／書評家／アンソロジスト）が担当しています。
2月14日に紹介されたのは次の3冊。
『もいちどあなたにあいたいな』についてはこのように書いてあります。
新井素子「もいちどあなたにあいたいな」（新潮社・１５７５円）は、著者７年ぶりの長編。語り手は、大学生の澪湖。幼い娘を亡くした叔母を気遣うが、何かがおかしい。言葉遣いの微妙な違和感。あるはずのない水着の跡。突拍子もない仮説を思いついた澪湖は、頭脳明晰なおたく男子に相談する…。
サスペンス風に始まった物語は、思いがけない展開を経て仰天の結論に。ベテランの技がさえわたる快作だ。