二十二歳で既に九冊の本を出しているのが、新井素子さん。高校三年の時に「奇想天外新人賞」を受賞、それからデビューしたから、早咲きだったが、早かったおかげで、ヤングの読者をしっかりつかんだ。女の子のおしゃべりがそのまま活字になったような一人称文体が彼女の特色。で、九冊目の本、タイトルは「カレンダーガール」（集英社文庫）。ガードナー作、弁護士ペリー・メイスンシリーズに触発され、というよりガードナーの「カレンダーガール事件」のカレンダーガールが気に入らず、まったく変わった味つけにし、ミステリーでなくＳＦに仕立てあげた。このあとは早川書房の新人ＳＦ作家たちに伍しての書き下ろしを予定。
文中では受賞は高校三年とありますが、正しくは高校二年の時です。