縮刷版を未確認なのでコーナー名は不明（「You I」か？）。処女作品集である奇想天外社版『あたしの中の……』の出版を伝える記事です。
中島梓、栗本薫（同一人物だが）、中沢けいが若手女流作家として活躍しているが、彼女らよりずっと若い弱冠十六歳の作品が「ＳＦ新人賞」に入選した新井素子が早くも単行本を処女出版。入選作「あたしの中の……」をタイトルに「ずれ」「大きな壁の中と外」を収録（奇想天外社、六百八十円）。十代の女の子の話し言葉をそのまま活字化したような文体が選考委員会で議論を呼び、賛否両論真っ二つとなったイワクつきの作家だが、強力に推したのが星新一。この本でも解説を引き受けるいれこみよう。素子嬢は目下、大学の受験勉強のため休筆中。