P.110より。
森 ありがちなSF歴ではありますが、小学校高学年か中学一、二年ぐらいに星新一さんを読んでいました。それがSF小説との出会いだと思います。あとは、子供向けのアンソロジーを図書館で借りたら、その中にたまたまSFが入っていて、特に意識せずに読んでいたというパターンですね。他には眉村卓さん、筒井康隆さん。またその頃、新井素子さんがデビューされて、若く生き生きとした作風に私も魅了され、新作を追いかけるように読んでいました。
P.111より。
柏崎 作家というか、SF作家になろうという気持ちはずっとあったんですか？
森 ありましたね。小学五年生ごろからなんとなく作家になりたいと思っていて、SF作家を目指そうと決意したのが高校一年生のときでした。若くしてデビューされた新井素子さん、大原まり子さんの影響を受けていたと思います。お二人の作品を読む前は、SFはおじさんの読みものというイメージがあったんです。主人公も大抵は成人男性でしたし。でも、大原さん、新井さんは、ご自身も若いし、作品に登場する若い女性達が生き生きと描かれていて、私にとっても非常に新鮮でした。
森氏が新井素子さんの小説を読んでいたという記述は、私小説風短篇「ひとりあそびの青春」（『姫百合たちの放課後』所収）にも登場してきます。