No.203
特集「オルタナティブ・ガーリー」で、ヒグチユウコ・高野文子・前田ひさえ、の三人を取り上げています。
P.36-40に高野文子氏が担当した書籍の装画が掲載されています。P.36には講談社文庫版『グリーン・レクイエム』と、橋本治氏の講談社文庫版『桃尻娘』と『帰って来た桃尻娘』が、次頁には北村薫氏の「円紫さん」シリーズ（『空飛ぶ馬』、『夜の蝉』、『秋の花』、『六の宮の姫君』、『朝霧』）があります。
［一番最初のイラストレーションの仕事について教えてください。］
出版社で電話番をしていると、文章を仕事にしている人たちの出入りがありますよね。橋本治さんや新井素子さんもそうやって知り合いました。「桃尻娘」と「グリーン・レクイエム」。どちらも作者本人とおしゃべりしたあとに描かせてもらうことになりました。
［北村薫さんの「円紫さんシリーズ」も同じですか？］
北村さんも作品より前にご本人と縁がありました。うちのダンナの大学時代の友人です。
カバー絵はなるべく中身のジャマをしないように、「主人公、私」の姿を描きました。雑誌掲載のときは挿絵も描きました。人の姿が出てこないシーンを選んで絵にしました。作中にウンチクの山があるので、絵の題材はその中から選び放題です。楽しかったです。
高野文子氏のダンナさんは、「ひでおと素子の愛の交換日記」の担当編集者で作中にも随所に顔を出した秋山協一郎氏であります。ちなみに「ひでおと素子の愛の交換日記」では、「吾妻ひでお大豪邸訪問記」（初出は『バラエティ』1982年7月号）と「注射がキライ！」（初出は『月刊カドカワ』1986年6月号）に高野氏が登場、「第ニ回新井素子小説大賞発表 ボツ編」（初出は『バラエティ』1985年7月号）では高野氏が吾妻ひでお氏に替わりイラストを描いています。
北村薫氏は秋山氏と同じく早稲田大学のワセダミステリクラブの出身で、『北村薫のミステリ・ライブラリー』には、あの「ライツヴィル殺人事件」が収録されています。