「1993年のあとがき的解説」に新井素子さんの名前が出てきます。
P.211のあとがき冒頭部。
文庫の解説というのは、どうも、テキトウなものが大部分のようでして――。もっとも、解説を書く人間がいちいちそう他人の作品に入れ込めるかと反論されれば、ごもっとも。
しかし、ちくま文庫版「オヨヨ島の冒険」の新井素子さんの解説はありがたかったし、しびれました。まだ読んでいない読者は、ぜひ、読んでください。
新井素子さんがこの小説の前巻『オヨヨ島の冒険』の解説を書いており、その内容への謝辞です。
また、P.212-213に、新井素子さんが読んだ『オヨヨ島の冒険』が、1970年に朝日ソノラマから出版された本ではなく、『オヨヨ島の冒険』と『怪人オヨヨ大統領』の2冊を1巻にまとめた1972年の晶文社版ではないかと書いています。
新井素子さんが読んだのも、これだと思いますが、値段は八百円でした。この版のおかげで、大学生の読者が増えたのが印象的です。いま見ても、造本がきれいだし、チャーミングな本です。
【2005/04/23追記】
『イエスタデイ・ワンス・モア Part2』の新井素子さんによる解説によると、新井素子さんが小林信彦の小説を初めて読んだのは小学四年生の時だそうだ。1960年生まれの新井素子さんが小学四年だったのは1970年及び1971年である。とすれば、新井素子さんが読んだ『オヨヨ島の冒険』とは、1970年の朝日ソノラマ版だったと考えるのが妥当ではないだろうか。
《参考》関連文献リスト：小林信彦