作品リストは「ひでおと素子の愛の交換日記」一覧を参照のこと。
伊藤昭による『ラビリンス――迷宮――』表が掲載されています。
気を取り直して、明るい本を二冊。ＳＦ界期待の新鋭、新井素子と夢枕獏の最新刊を紹介しよう。まず、ベストセラーとなった素子ちゃんの『ラビリンス』（徳間書店・９８０円）から。遠未来、迷宮に住む人肉喰いの神と、いけにえとなった二人の少女の物語である。その創作動機が「あんた、一人称じゃないと文書けないの？ って言われたせいなのです」（「あと書き」）というのも、前代未聞。そして、その少女文体が立派に成人していることを証明してみせた一冊であった。特に印象に残ったのが、いけにえの少女の中の一人が神に食べられる場面――「神は、何やら妙に白けた、棒のようなものをくわえていた。先端が五つにさけ、こわばった――イアス（いけにえの娘：評者注）の右腕」 その描写は的確で、評者は人肉喰いの夢まで見る始末。新井素子はこのまま行くと、凄い作家になるだろう。（なお、個人的には”人生は迷宮（ラビリンス）”というテーゼが気に入った。著者と同じく、評者もまた方向音痴なのです）
ちなみに夢枕獏の本は『幻獣少年キマイラ』が紹介されている。
P.173に新井素子さん関連の投稿が掲載されています。
★ヒ、ヒエ〜！ 創刊５周年記念特別企画の角川映画再映の「幻魔大戦」に、あのおなじみの執筆者たちが素顔でモロに出とるではないですか〜、ワン、ワォ〜ン。三角おむすびの伸坊氏は某ＣＭに出演しているのを拝見させて戴いたが、ナ、ナント〜！ あの新井素子嬢までもがぁ〜……約10秒息をのんだ後、川又千秋氏の顔に思わず吹き出してしまい、小島由起夫氏のひょうきんなコスチュームに意表をつかれ……素子嬢を見ては、我知らずホッと胸をなでおろすのでありました。（※住所は略・小田克己・19歳・学生）
同じくP.176-177。
★10月号の「TOKYO made in Japan・東京入門」、素子さんの「東京ストーリー」を読んで、とても面白かったし、これから役に立ちそうな気がいたします。私、来年東京の方に就職する予定なんですが、親や先輩から”東京って汚くて人が冷たいところ”っていうのを聞いたりして、ちょっと戸惑っていたんです。でも、特集を読み、東京に対する知識を養え（どこがー！）、また自分はやっぱり田舎モンだと再認識し、「東京ストーリー」を読んでショックを受けたと同時に東京に行くことにちょっと自信がもて、戸惑いが少しなくなった感じ。とにかく、私、来年、行きます！ そしたら、絶対ひろ子ちゃんに会うんだ！ 〈バラエティ〉の編集室へ遊びに行った時は、よろしくお願いしまーす！（※住所は略・重石久美子・17歳・高校生）
同じくP.177。
★〈バラエティ〉は、「ひでおと素子の愛の交換日記」が始まった時から買っております。10月号は２ページから３ページとページ数も増え、喜んでおります。吾妻氏の絵と素子さんの文章とがもう一つチグハグなところが好きです。吾妻氏が「愛の交換日記」は単行本になりそうにないと言っておられましたが、ページ数が足りるようになりましたら、ぜひ単行本にするようお願い致します。（※住所は略・村松敬太・22歳・学生）