新井素子研究会 > 登場物リスト：雑誌 > 花椿1983年5月号
同じ女性でも、山尾と対照的なのが新井素子（写真下）。この人もSF雑誌のコンテストからデビューしたのだけれども、明らかにSFそのものにどっぷりとひたり込んだところからスタートしている。つまり、SFを特別扱いするのではなく空気のように呼吸しながら、ほとんどはしゃぎ回るように書いている。この人も、文体そのものが作品の大きな部分を占めている。小説ではなく、十代、二十代の女の子の話し言葉そのもののような文体だ。彼女が若い世代に熱狂的に受け入れられているのは、その文体によるところが大きい。