P.214、『フォックスさんにウインクを』（大和真也／集英社文庫コバルトシリーズ）の伊藤典夫による書評の中に新井素子さんの名前が出て来ます。
一九七八年、『奇想天外』誌ＳＦコンテストの佳作で登場した新人のはじめての本。文庫書下しで、帯には同期の新井素子の推薦文がある。ヒロインいづみが不思議な男の子たちに連れて行かれたところは、二つの部族が相争う、おとぎの国めいた世界だった……。というのはコバルトだからいいのだけれど、設定、人物、ストーリイすべてにおそろしく無理があって、読み進むのが苦しい。おまけに文章も微妙に素子調……。おい、ちょっと待てよ。大和真也はこんな作家じゃなかったんじゃないか？ あわてて『奇想天外』をひっぱりだし、彼女が同誌にのせた四篇にあたってみる。そうなんです。文章、構成とも大変折り目正しい、着眼点の鋭い作家が、やはりそこにいた。特に「いたちごっこ」あたりは、『ザ・ベスト・フロム・奇想天外』を編むとしたら（これ、どこかの出版社に提案したいね）入ってもおかしくないできばえ。いいかえれば、彼女ががむしゃらなストーリイテラーではなく、形式に神経質な分だけ、長篇を用意するには時間が必要ということなのか。と同時に、編集部の注文がきつすぎたのか。ともあれ次作に期待しています。（典）
SF関係者の近況を伝えるコーナーです。新井素子さんは今月号に登場していませんが、近況のみの登場となったようです。
一二〇〇枚という大長編の清書にワープロを使っている。一日八〜九時間もたたいていると、肩がこって仕方がない。推敲しつつなので、一ヵ月近くかかってしまった。でも、七月二四日には星群祭で京都に行き少し足をのばすつもり。というのも、その頃、東京で大地震が起るという噂があるので、妹さんと避難するのだとか……。東京では最近、周りに自転車泥棒が横行しているらしく、友達が三台も盗られてしまった。だから買ったばかりの自転車は、もっぱら近所にしか使わず、物置にしまってある。
この「大長編」とは、早川書房の〈新鋭書き下ろしSFノヴェルズ〉からこの年に出版された『・・・・・絶句』のことだと思われます。
新井素子ＦＣ「第13あかねマンション」を発足致しました。
◎会誌 季刊「もくず！」コピー 二十頁以上 他に会報発行
◎入会金 百円
◎会費 五百円（三ヶ月）
入会ご希望の方は、六十円切手同封で左記住所までご連絡を。
当ＡＭＦＣ「宇宙魚」は、八月八日をもって満二歳の誕生日を迎えます。これを記念して、大々的に会員募集をしたいと思います。
「宇宙魚」は、会員数百六十人を数える全国的規模のサークルで、会報「宇宙魚」（月刊）や会誌「Ｎｅｐｔｕｎｅ」（不定期）の発行、及び月一回のお茶会や、Ｔシャツ・トレーナーの製作などをやっており、誰でも気軽に参加できるクラブを目指しています。会費は半年千円です。
六十円切手同封の上、左記までご連絡下さい。また、会誌（ＶＯＬ１）ご希望の方は、その旨明記の上、郵送料込みで六百円分の無記名定額小為替を左記まで送って下さい。
エヌ氏の会より先日、時空間通信波でお知らせ致しました［星コン・VII／十月一日（土）／会場／東京都内／主賓・星新一氏、ゲスト・新井素子氏／参加費・二万二千円（夕食会、合宿、おみやげ等含む）］の情報が、地球回路へ流出し、皆様にはご迷惑をおかけしました。お詫び致します。
ボッコちゃんのファンが多く、参加予約はキャンセル待ちとなります。お問い合わせは、往復はがきにて左記へどうぞ。
ええーっとこのたび、プシキャットでは一般新井素子ファン用の会誌「プロージット・ぞーかんごお２」を発行いたしましたので、お耳に入れておこーと、そーゆーわけでして……
◎内容 素子さんの小説について、イラストギャラリイ、オリジナル・パロディ小説など
◎頒価 四百円（定額小為替で）
◎体裁 Ｂ５判 手書きコピーです
◎連絡先 （※省略）
よろしく！！