No.319
リスト中に『ラビリンス 迷宮』（新書版）があります。
(再)ラビリンス 迷宮 著＝新井素子／２０８頁／８・31刊／６８０円／徳間書店／新書／長篇
P.196に新井素子ファンの女子中学生からのお便りが掲載されています。
私はＳＦを読むようになって、まだ五カ月です。本当にいまからというＳＦ時代になってまいりました。私がＳＦ分野の物を読むようになったのは、新井素子さんの『あたしの中の……』を読んでからです。それまでＳＦ、いや、小説という言葉を聞いただけではきけを催していた私。それがどうしてこうなったかと申しますと――。
時は三月も終りに近づいてきたころ。「四月になると私も中三。小説ぐらい読まないとね」と思いつつ本屋へかけこみ、手にしたのが、『あたしの中の……』でした。作者名は知ってたんですけど、それが処女作とは知らなかった。手にした私は、そくざに金をはらって帰りました。「さてと、少し読んでみようか」と思って読んでいくうちに――。今にいたっています。あの時の感動は忘れられません。
次の日、またもや本屋へ行って新井さんの本読みあさりました。それから五カ月間のこづかいは、全部本代にまわってしまい、私としてはひじょうにひきつっております。中三というのに、成績は二〇番もおちました。それでもＳＦ大好き人間です。
最近読んだのが、新井素子さんの『あなたにここにいて欲しい』。う――よかった。私は新井さんの感情表現が好きなんです。かたくるしさがないんです。あの、他の人の作品も読みましたけど、新井さんほど感動が残るものってありません。だんげんします。
そこで。私、本当にＳＦのことわかっていません（すいません）。だから、ＳＦのことを知っている文通相手が欲しいと思っています。
どんな方でも結構です。ＳＦ大好き人間なら。身近にそういう風な人がいないんです。アニメならいるんですけど。
どうか暇でたまらない人、お手紙下さい。まってます。
ＳＦは……ＳＦは……。ＳＦは爆発だあぁぁぁ……。
SF同人誌『星群』55号発行の告知が掲載されています
内容 特集〈新井素子の世界〉インタビュー、インタビュアー辻田孝子＆市川智美、インデックス山根啓史作成、評論エッセー佐藤明彦・山本弘・井出隆司・森岡優樹／創作「リャーンの祭り」立川みどり／「巣立ち……」田中俊一／「一日タイムマシン」川峰弘子／「縄」佐藤孝一
体裁 Ａ５判・タイプオフ・九十二頁
頒価 千円（送料共。現金書留か定額小為替にてお願いします）