『海馬亭通信』の第2巻です。裏表紙の内容紹介より。
人間が大好きで、再び山から下りてきたやまんばの娘・由布が、ちょっと訳ありな風早の街の住人たちとの切なくも心温まる日々を綴った三通の手紙。その十七年後、とある事情から冬休みをこの街で過ごすことになった少年・景が出会う、幻想のような不思議の数々……。
風早の古い洋館「海馬亭」を舞台に、過去と現在ふたつの物語が優しく響き合い、美しい奇跡の扉が開く――。著者の初期傑作が長い時を経て、ここに完結。
主人公が、知り合った男の子と好きなSF作家談義で盛り上がる場面で新井素子さんの名前が出て来ます。P.105。
そういうと星野君は驚いたような顔をしました。嬉しそうに頬を染めて、部屋の中をぐるぐる歩き、そしてふと、本棚に目を留めました。
「――ブラッドベリがある」
「ああわたし、ＳＦ好きだから。星野君も好きなの？
「うん。シマックとか、マッキンタイアとか、豊田有恒、初期の平井和正……」
「ディプトリーに眉村卓に光瀬龍に新井素子？」
「そうそう！」
わたしたちはきゃあきゃあと意気投合しました。
文中の「ディプトリー」は「ティプトリー」の誤植だそうです。
〈ぴろろんさん（@cielbleu55）に教えて頂きました。ありがとうございました。〉