初出は『波』1996年1月号〜12月号。しかし巻末に「※構成の大胆な変更、強烈な加筆があります。」と書いてあります。
『ゴジラ』は練馬区にある石神井公園周辺を舞台にした小説です。本文中には刊行当時の著名人が実名で多数登場してくるのですが、その中に新井素子さんの名前もありました。P.181-182より。
最低限、吉本ばななの作品の主人公ぐらい心がピュアでなければ、ぬいぐるみは口をきいてはくれないのである。
だから、「吾輩」とは年中会話できるタカハシさんですら、まだ生涯に数度しかぬいぐるみとか話したことがない。
いや「数度も」というべきなのか。
マリリンはぬいぐるみとしゃべることができる。タカハシさんの奥さんに至っては13種類もあるといわれる「ぬいぐるみ語」のうち４つにまで精通している。
だから、暇な時には来日した「ぬいぐるみ」の通訳の仕事もしているほどである。
練馬区でこの通訳の資格を持っているのはタカハシさんの奥さん以外では新井素子しかいないことは有名だ。
文中の「マリリン」はタハカシさんの娘さんです。練馬、ぬいぐるみ、で新井素子さんの名前が出て来るのはもっともなことでありますね。高橋源一郎氏は新井素子さんの作品にも詳しいようです。