1983年より刊行された筒井康隆全集（全24巻）の月報に掲載されたエッセイを一冊にまとめた本。1985年に新潮社から刊行された単行本を文庫化したもの。
『筒井康隆全集』第3巻（馬の首風雲録／ベトナム観光会社）の月報で発表されたエッセイです。当時のSF関係者を昔のヨーロッパの宮廷に当てはめるとどのようになるか、という話で新井素子さんの名前が出てきます。
まず王様は誰かというと「ミスターＳＦ」と呼ばれている以上これは小松左京にしなければいろいろと具合が悪い。容貌体格、王様としてはぴったりである。まあまあ名君であると言えるだろう。（中略）王子はひとり。山田正紀であろう。実際に「ＳＦ界のプリンス」などと言われているし、作風もＳＦの正統派であり、小松左京の後継者とも言われている。王女が新井素子。まだ幼いが国民には人気がある。王を悩ませる長老会議の議長が伯爵で王の叔父に当たる星新一。王に無理難題を吹きかけるのだが、冗談か本気かわからぬところがあるので困るのだ。
こんな調子で以下、石川喬司、栗本薫、山尾悠子、半村良、豊田有恒、田中光二、荒巻義雄、堀晃、横田順彌、眉村卓、石原藤夫、野田昌宏、川又千秋、手塚治虫、真鍋博、高千穂遙、永井豪、平井和正、光瀬龍、河野典生、福島正実、本人である筒井康隆まで登場してきます。