ラブレターをめぐるオムニバス集！
中学で図書委員を務める主人公は、以前自分が借りた本に自分宛のラブレターが挟まれているのを発見します。それからラブレターの主との手紙のやりとりが始まるのですが、二通目の手紙が挟まれていたのが新井素子さんの『おしまいの日』だったのです。手紙とともになぜかショッキングピンクのカエルのおもちゃも一緒に挟まれていました。そして夏目漱石の『こころ』に挟まれていた三通目の手紙にはこうありました。P.15より。
「高瀬リリコ様」
「あの毒々しいピンクのカエルは，この前読んだ本のイメージです。感想文ってトコです。」
（そうなの？ 新井素子の『おしまいの日』が？？）
ラブレターの主はSFがけっこう好きらしく、お薦めの本を教えてという主人公に、星新一の『ボッコちゃん』やP・K・ディックの『ユービック』のタイトルを挙げていました。