P.164で、SF作家志望の友人に、登場人物の一人が話しかける場面での会話。
「縦田順彌もまっつぁおー 井筒康隆もなんのその」
「えっ… そーかなあ」
「どっかへ応ボしてみろよー 古井素子につづくのだ」
縦田順彌＝横田順彌、井筒康隆＝筒井康隆とSF作家の名前が並べば、当然、古井素子＝新井素子であります。
高校生の新井素子が衝撃のデビューを飾ったのが1977年末、この作品が「ＬａＬａ」に発表されたのが1979から1980年にかけて。SF好きな人で、このシチュエーションなら、そりゃあネタにしますよね。
で、成田美名子さん、現在はどうか知りませんが、かなりＳＦがお好きな様子がこの本から伝わってきます。
涼くんの本棚にはハインライン「異星の人」、ル・グィン「ゲド戦記」「闇の左手」、「ナルニア国物語」まであったりしますし、最後のほうには当時まだ翻訳されていなかった原書のタイトルまで出て来てます。（日本での題名はそれぞれ「獣の数字」「パーンの竜騎士」「ヴァレンタイン卿の城」ですね）
「怪傑ハリマオ」の歌を歌ってたり、「すすめパイレーツ」のユニフォームがまんま出てきたり、なかなか小ネタが楽しかったです。
〈はにわにさんから情報をいただきました。ありがとうございました。〉