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物語のルミナリエ

異形コレクション XLVIII (48)

書誌情報

文庫

［監修］井上雅彦
［出版社］光文社（光文社文庫　い31-36）
［発行日］2011/12/20
［発売日］2011/12/08
［ISBN］978-4-334-76344-2
［PAGE］498
［価格］895円 + 税
［カバーデザイン］

書き下ろしショートショート集。78篇を収録。帯にはこのように書いてあります。

闇を照らす小さな物語の燦めき（ルミナリエ）

物語よ、永遠なれ……。

物語の力で人々に元気を与える、というコンセプトで編まれたアンソロジーです。

収録作品

（巻頭）

編集序文（井上雅彦）

出発の物語Ｉ

「猫」……平谷美樹

奇妙な絆のミステリー

「幽霊に関する一考察」……飛鳥部勝則
「オレオレ」……草上仁
「すりみちゃん」……梶尾真治
「ハドスン夫人の内幕」……北原尚彦
「しゃべる花」……高橋由太
「キリエ」……太田忠司
「ひとりで大丈夫？」……蒼井上鷹
「冬のアブラゼミ」……安土萌

終末（おわり）と再生（はじまり）

「青い空」……眉村卓
「夏が終わる星」……朝暮三文
「鋳像」……タタツシンイチ
「ゆらぎ」……傳田光洋
「再生」……たなかなつみ
「崩壊」……堀晃

出発の物語ＩＩ

「AIR」……瀬名秀明

スペキュレイティヴな燦めき

「庭に植える木」……かんべむさし
「密度」……斎藤肇
「地下洞」……植草昌実
「ぼくの時間、きみの時間」……八杉将司
「僕の遺構と彼女のご意向」……木立嶺
「惑星ニッポン」……岡崎弘明
「空を見上げよ」……小中千昭
「トリッパー」……輝鷹あち

笑う門には

「まごころを君に」……田中啓文
「間抜け」……井上剛
「江戸珍鬼草子（削りカス）」……菊地秀行
「……ツキ」……白河久明

魔の避難場所

「天国」……北野勇作
「クレイジー・ア・ゴーゴー」……飴村行
「少女遠征」……黒史郎
「前奏曲」……石神茉莉
「飛びつき鬼」……岡田秀文
「父帰ル」……奥田哲也
「俺たちに明日はないかもね――でも生きるけど――」……牧野修

幻想のスパッリエーラ

「桜」……田丸雅智
「そ、そら、そらそら、兎のダンス」……皆川博子
「蛇平高原行きのロープウェイ」……間瀬純子
「銀のプレート」……藤井俊
「星を逃げる」……宮田真司
「窓」……堀敏美
「時計は祝う」……松本楽志
「一夜酒」……江坂遊

おくるひとびと

「機織桜」……黒木あるじ
「約束」……森山東
「空襲」……深田亨
「灯籠釣り」……加門七海
「螢硝子」……速瀬れい
「墓屋」……篠田真由美
「一年後、砂浜にて」……倉阪鬼一郎

みまもるものたち

「一つの月」……タカスギシンタロ
「忘れ盆と忘れな盆」……小田ゆかり
「望ちゃんの写らぬかげ」……朱雀門出
「その橋の袂で」……矢崎存美
「キス」……峯岸可弥
「おちゃめ」……藤田雅矢
「いつもの言葉をもう一度」……井上雅彦

物語に捧げる物語

「1001の光の物語」……西秋生
「異文字」……真藤順丈
「アンタナナリボの金曜市」……入江敦彦
「塔をえらんだ男と橋をえらんだ男と港をえらんだ男」……西崎憲
「楽園」……立原透耶
「石繭」……上田早夕里
「神様の作り方」……坂木司
「物語を継ぐもの」……芦辺拓
「小説の神様」……中原涼

人生という回廊（ガエリア）

「灰色の道」……赤井都
「女か虎か」……高井信
「おかえり」……田中哲弥
「下魚」……雀野日名子
「嫁入り人形」……岡部えつ
「どこか遠くへ」……山口タオ
「うきつ」……星野幸雄
「筆置くも夢のうちなるしるしかな」……朝松健
「妖精の止まり木」……片理誠
「林檎」……新井素子
「最後の挨拶」……早見裕司

出発の物語ＩＩＩ

「闇の中から生まれるもの達」……三川祐

（巻末）

作者解説――小さな「物語」（ショートショート）中心に――
感謝の辞。あとがきにかえて（井上雅彦）

新井素子関係の内容

作者解説――小さな「物語」（ショートショート）中心に――（P.454-491）

新井素子さんの作者解説はP.490に掲載されています。

新井素子　あらい　もとこ　『林檎』

星新一が選考委員のひとりを務める第1回奇想天外SF新人賞（1977年）に『あたしの中の……』が佳作入選しデビュー。「ショートショートランド」創刊号（1981年）に収録された「チューリップさん物語」以来、ひさびさのショートショートは2006年から『小説すばる』に連載された15篇でショートショート集『ちいさなおはなし』として上梓。さらに、2007年、編者として星新一に捧げた星新一ショートショートの傑作選『ほしのはじまり－決定版　星新一ショートショート－』を上梓。震災当時の日本SF作家クラブ会長として、会員の安否確認、義援金募集などに尽力し、「SFとは夢と祈り」とのステートメントを表明した。

感謝の辞。あとがきにかえて（P.492-498）

監修者の井上氏による「感謝の辞」です。新井素子さんの名前が登場します。P.492より。

今回の震災をきっかけに、多くの作家が、さまざまな活動を行っている。

当時、私が事務局長を務めていた《日本SF作家クラブ》では、一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパンのチャリティ・サイトを活用して、読者と作家とのバーチャル・コンベンションを実現し、義援金を集めた。私と新井素子会長（当時）とで決断し、この〈乱世の執行部〉は臨時総会を開くこともままならない状況の中、このプロジェクトを決行したのである。

三月二十六日に呼びかけたところ、48時間で100万円を突破した。募金は今でもじわじわ増え続け、十一月には200万円に達している。このページは現在の執行部（瀬名秀明会長、増田まもる事務局長）に受け継がれ、今も順調に続いている。

（「日本SF作家クラブ」の公式サイトから入れます。→「SF作家とSFファンとで力をあわせ、被災した方々を応援しよう！」http://justgiving.jp/c/5892）

収録

「林檎」は、短編集『イン・ザ・ヘブン』（新潮社・2013年刊）に収録されました。

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