『まるまる新井素子』P.118より。
その後。おずおずとりだした、SFマガジンの創刊号に、とっても素敵な話が載っていた。何年かに一度、一時間だけ陽が昇る、いつも雨の金星の話。それは、火星年代記と同じ位美しくて――火星年代記と、この話が、こののちのあたしの読書の方向を決定したって言っていいと思う。かくてあたしは、SF読むのが大好きになり、SFらしきもの書くのが大好きになり――そして、現在にいたる訳。
海外SFに対する苦手意識が刷り込まれてしまった中学一年生の時、当時愛読していた星新一がエッセイで『火星年代記』をしきりに褒めていたので、おっかなびっくり試しに読んでみたら非常に感銘を受け、そして……という話の流れです。『S-Fマガジン』創刊号に掲載されたこの話のタイトルが「七年に一度の夏」なのです。
このエッセイが収録されている星新一のエッセイ集とは何でしょうか。