連載対談「コンピュータ・エイジを考える」（話者：岸田孝一・新井素子）の第1回「コンピュータとは何なのだろう」中に掲載されたエッセイです。
コンピュータって言葉聞くと、なんとなく怖ろしいものって感じがする。２００１年のＨＡＬさんなんて、かなり迫力があったし、大がかりで複雑でわけの判んない機械の集合体って感じ。ＳＦだと、未来都市を管理しちゃったりするし。どことなく悪魔的なイメージ。
ＨＡＬさん
とは『2001年宇宙の旅』に登場したコンピュータ「HAL9000」のことです。ただし、この「２００１年」が小説のことなのかキューブリックの映画のことなのかは不明です。
「モノリスの模型」が会話の中で出てくきます。「モノリス」とは、新宿モノリスビルのことではなく、当然1:4:9のあの黒い物体のことであります。
「……面倒がっている連中は何したいって？」
「模型作るんならモノリスの方がいいって」
モノリスの模型……そりゃ、楽だわ。
「も……も……モノリス」
そんでもって、次の瞬間、素子さん、こう叫んでしまった。
何となれば、廊下のどまんなかに、廊下そのものを塞ぐような形で、巨大な段ボール箱がたっていて……（二メートルかける一メートル五十のぬいぐるみをおさめた段ボール箱。そりゃ、モノリスみたいなものだろうと思うよ、僕は）。
ここに登場する「モノリス」も『2001年宇宙の旅』に出てくるアレのことだと思われます。