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熱いトタン屋根の上の猫

解説

テネシー・ウイリアムズ（Tennessee Williams）の戯曲。原題は”Cat on a Hot Tin Roof”。1955年にエリア・カザン演出によりニューヨークにて初演され、その年のピューリッツァ賞を受賞した。邦題は「やけたトタン屋根の上の猫」「熱いトタン屋根の猫」など様々。

邦訳

• 『やけたトタン屋根の上の猫』（新潮文庫／田島博訳／1959年）
• 『やけたトタン屋根の猫』（新潮文庫／小田島雄志訳／1999年）

映画

• 『熱いトタン屋根の猫』（リチャード・ブルックス監督／出演：エリザベス・テイラー、ポール・ニューマン／1958年）

登場作品

小説：「大きな壁の中と外」」

• 【初出】『奇想天外　1978年9月号』
• 【収録】『あたしの中の……』
• 【ページ】単行本版P.132／文庫版P.129／愛蔵版P.129／文庫（新装）版P.145

山猫さん、下をひょいっとのぞく。あたしもハンカチを手に巻いてトタンに手をついて下をのぞく。と……そうなんだ、ここは書斎の玄関にあたるんで、石をしきつめてあるんだ。あれの上に飛びおりたら、成功したって足は折るだろう。失敗したら……死ぬことはないだろうけど、下手すりゃ一生下半身不随。

「しっかし……まさしく”熱いトタン屋根の上の猫”だなあ」

山猫さんは、ピンチになればなる程落ち着くって特技を発揮して、平然とこう言う。でも他の時ならともかく、こんな時に落ち着かれたって困るのだ。