漫画の手帖臨時増刊号
『漫画の手帖』に連載されたリレー漫画「ぬいぐるみ殺人事件」を一冊にまとめた増刊号。なぜか初回は新井素子さんの小説で始まっています。
『漫画の手帖』に連載されたリレー漫画です。
漫画の冒頭（P.10）にキャットテールを持った新井素子さんが登場してくきます。第1回の展開を受けて。
とり「……これ なんで「ぬいぐるみ殺人事件」なんですか？
素子「そお書いとくと誰かそのうちぬいぐるみ出してくれるでしょたぶん（だってぬいぐるみ好きなんですもの）」
P.16で列車に乗せられたヒロインの前に新井素子さんが現れます。
素子「尚美さん……あなたってぬいぐるみ好きでしょ」
尚美「だ、誰？」
素子「あたし素子よ……あなたもあたしと同じよ 呪われているの!! みて！ 外を！」
漫画(2)の続き。P.18の新井素子さんの台詞。
素子「キャー 尚美さん気でも狂ったのー」
P.65の地の文。
（なんか、文体が新井さんみたくなってきた）。
さて困った。困った挙げ句に新井素子さんに、やっと初回を引き受けて頂いて、このリレー漫画をスタートさせる事ができました。
昭和58年8月30日
江古田の喫茶店にて、新井素子さんの原稿受け取り。新井さんは、とり・みきＴシャツを着ている「第一回だし、みんな続けやすいようにミステリーにしました。ミステリーではこういったリレーパターンって、よくやっているでしょう。密室殺人事件という典型的のにしたけどどうなるかなあ」
原稿はワープロで打たれている。新井さん曰く、ワープロの方が書くより早いし、きれいにできるから、との事でした。次回はどなたがいいでしょう、との質問に「とり・みきさんがいい。吾妻ひでおさんだと、いつも『バラエティ』で一緒にやっているから」と、ご指名があり、とり・みきさんに決定。急いでカットをお願いするふくやまけいこさんへ郵送する。新井さんはふくやまさんについて、「絵がかわいいし好きだな」と語っておられました。
新井素子さんによると「死体――見たこともない男年の頃は二十五、六。サラリーマンか、ちょっと老けた学生って感じで、中肉中背。あんまりぱっとした容貌じゃない！」という”死体さん”は、たきたさん。これはハマリ役だ！（ごめんなさい）