僕が新井素子作品と出会ったのは、今から２０年くらい前になります。まだ中
学生でした。
最初に読んだのは『いつか猫になる日まで』でした。なぜかその頃、超能力が
マイブームで、超能力が出てくるＳＦをいろいろ読み漁っていた時期だったの
です。端書きに「テレパス」って文字が出ているのを見て、なんとなく読んで
みたわけです。
そしたら、非常に感動しまして。
それ以来、新井素子作品を読むようになりました。
その頃は主にコバルト文庫から作品が出てましたので、よく本屋でコバルト文
庫の棚の前にたたずんで下りました。学ランで。
女の子が読む文庫、ということを意識したことがなかったので特に恥ずかしか
った記憶はないですが、一度、『通りすがりのレイディ』が新刊で出ていたの
を見つけ、ホクホクしながらレジへ持って行った時、当時の友人に本のタイト
ルを見られ、「おまえ、ロマンチックって顔かよ」と言われたことはあります
ね。
タイトルのところには「ロマンチックＳＦ」という惹句が書いてありまして。
確かにこの俺がロマンチックってガラじゃねーなー、と思ったことを覚えてい
ます。読むのはやめなかったですけどね。
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