2004年現在『たんぽぽのお酒』は、1997年に出版された「ベスト版 文学のおくりもの」シリーズで入手可能です。しかし、年代から考えると、新井素子さんが読んだのは、1971年に出版された「文学のおくりもの」シリーズ第1巻の方じゃないかと思います。
「ブラッドベリってね、作家よ。彼の作品に”たんぽぽのお酒”っていうのがあるの。あたし、長いこと憧れてたのよね。たんぽぽのお酒なんて、とっても美味しそうじゃない。たんぽぽで作るんなら、きっと金色で、はちみつみたいにすこしねっとりとしてて、お陽さまの味がするんじゃないかと思って」
「そいで？ 美味しかった？」
「……作り方がいけなかったんだと思うわ。お醤油のあきびん使ったから……お醤油みたいな味だった」