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文藝別冊　氷室冴子

［没後10年記念特集］私たちが愛した永遠の青春小説作家

書誌情報

【単行本】

• ［編集人］岩﨑奈菜
• ［出版社］河出書房新社（KAWADE夢ムック）
• ［発行日］2018/08/30
• ［発売日］2018/08/28
• ［ISBN］978-4-309-97953-3
• ［雑誌コード］62185-90
• ［PAGE］223
• ［価格］1,300円+税
• ［装幀・レイアウト］坂野公一（welle design）

内容

• 氷室冴子の軌跡
  • 氷室冴子クロニクル
  • 一九九二年　氷室冴子インタビュー
• インタビュー：氷室さんと共に作った『ライジング！』（藤田和子）
• インタビュー：「好きなようにやって下さい」――『ジャパネスク』の出来るまで（山内直実）
  ＊山内直実マンガ化作品一覧
• インタビュー：コミカライズを担当して（菅原弘文・白泉社）
• インタビュー：『海がきこえる』挿絵からアニメ化まで（近藤勝也）
  ＊資料『海がきこえる』覚えがき（氷室冴子）
• マンガ：氷室先生とコバルト文庫時代の私の話（飯田晴子）
• イラスト：銀の海　金の大地（飯田晴子）
• インタビュー：ずっと現役感のある方でした（堀井さや夏・集英社）
• インタビュー：「私のこと、忘れないでね」（田中二郎）
• 氷室冴子を語る
  • インタビュー：コバルトの時代（新井素子）
  • エッセイ：やわらかな水のラビリンス（榎木洋子）
  • エッセイ：哀悼　氷室冴子先生（榎村寛之）
  • エッセイ：記憶に残るひとこと（荻原規子）
  • エッセイ：ぼーぜん（菊地秀行）
  • エッセイ：我が友、氷室さん（ひかわ玲子）
  • エッセイ：氷室冴子の才能に震えなさい（夢枕獏）
• 氷室冴子青春文学賞と故郷岩見沢
  • エッセイ：サエコさんに叱られる（久美沙織）
  • レポート：氷室冴子青春文学賞
  • 氷室冴子と岩見沢
  • 同級生座談会：岩見沢東高校時代の氷室冴子さん
• わたしと氷室作品
  • エッセイ：わたしの親友（須賀しのぶ）
  • 舞踏会でお逢いしましょう（高殿円）
  • 少女たちの自由への道標（柚木麻子）
• 氷室冴子コレクション
  • 短編：あひるの王様（氷室冴子）
  • エッセイ：気まぐれ随想録（えっせい）（氷室冴子）
  • エッセイ：こちら側から（氷室冴子）
  • エッセイ：生きようとする祈り（氷室冴子）
  • 対談：趣味について　HOBBY（氷室冴子×群ようこ）
  • エッセイ：ジャパネスク・エッセイ「古今和歌集」編（氷室冴子）
  • 対談：おたのしみ古典文学（氷室冴子×俵万智）
  • エッセイ：私にとっての名文、それは恋文（氷室冴子）
• 氷室冴子論
  • 氷室冴子　忘れえぬ作家の軌跡（嵯峨景子）
  • 純愛の夢から醒めるまで（木村朗子）
  • 『銀の海　金の海』と古事記（三浦佑之）
• 氷室冴子作品ガイド（三村美衣）

新井素子works

インタビュー：コバルトの時代（P.76-79）

肩書は「小説家」となっています。収録日は2018年7月4日。インタビュー・構成は山本文子氏（桜雲社）が担当。

小見出し

• 親しくなったきっかけはワープロ
• リンゴひとつあればいい
• 氷室さんとの思い出
• 氷室さんの文章は読みやすい

新井素子関係の内容

インタビュー：一九九二年　氷室冴子インタビュー（P.6-P.19）

初出は『あかね』第38号（共立女子短期大学国文研究室・1993年）。P.10より。

――小説を書くのと、漫画の原作を書くのと違う所ってありますか？

氷室　全然違います。何故かっていうと、小説だったら極端な話モノローグだけでも読ませられるでしょ？　漫画はそれじゃだめなんですよ。主人公が動かないことにはどうしようもないんです。絵が描けないんですよ。そういう意味で新井素子ちゃんの小説を漫画にしようって、ちょっと無理なんですよね。話を完全に組み替えないといけないから。（略）

インタビュー：「好きなようにやって下さい」――『ジャパネスク』の出来るまで（山内直実／P.32-43）

収録日は2018年6月24日。インタビュー・構成は嵯峨景子氏が担当。P.33より。

――氷室さんの第一印象はどんな感じでしたか。

山内　パワフルな人。圧倒されるオーラというんでしょうか。私が知っている小説家さんは皆パワフルなんです。藤花忌でお目にかかった久美沙織さんも新井素子さんも。小説家さんがF1なら、漫画家は首都高速を走る車。それくらいの違いがある気がしました。

インタビュー：「私のこと、忘れないでね」（田中二郎／P.71-75）

収録日は2018年7月14日。インタビュー・構成は編集部が担当。P.71より。

田中さんは毎年氷室冴子さんを偲ぶ会「藤花忌」を主催されています。氷室さんとはどのように出会われたのでしょうか。

田中　私はパソコンが趣味というか、専門なんです。それでいろいろな人のパソコンのセットアップをしたりメンテナンスをしたり質問に答えたりしていました。（略）

パソコンが主流になっていた頃で、ワープロ専用機のオアシスが生産中止になるという話があり、それでワープロからパソコンに移行する人が増えていました。オアシスもパソコンのソフトとして発売されました。一九九八年、そのオアシスの設定のために新井素子さんの所にうかがっていたのですが、どうも氷室さんも困っているらしい、と。それで素子さんの紹介で氷室さんのおうちにうかがいました。以来、まるまる十年のお付き合いです。

エッセイ：やわらかな水のラビリンス（榎木洋子／P.80-81）

P.80より。

コバルト三十周年では、読者や作家が答える「マイ・ファースト・コバルトは？」というアンケートがありました。最初に読んだのは新井素子さんの『星へ行く船』で、心に残るのは氷室さんの『シンデレラ迷宮』ですと答えたら、編集さんが感心したように「氷室先生のその作品をそんな風に挙げる方多いんですよ」と教えてくれました。

エッセイ：気まぐれ随想録（えっせい）（氷室冴子／P.129-146）

初出は『コロネット』1980年11月号〜1984年4月号。「その10　ポスター撮影完了」P.139より。

もしかすると、宣伝部の人があたしに惚れていて、なんとか力になりたいと屈折した情念を密かに燃やした結果なのかもしれない、などと思いつつ、一緒に撮られるほかの四人（参考までに名まえをあげておくと、久美沙織姫、新井素子嬢、田中雅美氏、正本ノン姉である）との顔合わせに臨んだあたしは、瞬間、顔がこわばった。

久美姫は、どうしてもの書きになったのかというような、モデル顔負けの美人だし、素子ちゃんはロリータ族を刺激しそうな清純ムード、田中氏はこれぞ女流作家決定版という感じで、正本姉は170センチ近い長身のキャリアウーマンふう。みんな写真写りのよさそうな人たちばかりじゃないか。

ここに書かれている宣材写真は、『Cobalt』1982年夏号に掲載された広告「コバルトフレッシュ5」で使われたものかと思います。

氷室冴子論：氷室冴子　忘れえぬ作家の軌跡（嵯峨景子／P.192-197）

P.194より。

氷室が頭角をあらわした時期は若年層向け読み物の変容期で、正本ノン、久美沙織、田中雅美、さらにSF雑誌でデビューをした新井素子などが雑誌『小説ジュニア』、のちに『Cobalt』で読者の支持を集めていた。（略）

氷室冴子作品ガイド（三村美衣／P.208-223）

P.223「4　単著未収録　エッセイ・対談・インタビュー等収録書籍」に、新井素子さんの『近頃気になりません？』（講談社文庫）があります。氷室冴子氏のエッセイ「野菜畑のマダム・アリス」が収録されています。

更新履歴

• 2018-09-09：新規作成